
2017年に公開された『エイリアン:コヴェナント』は、 『プロメテウス』の直接の続編として、 “創造”と“進化”がもたらす恐怖 を描いた作品です。 監督は再びリドリー・スコット。 前作で提示された“神話”が、より直接的で残酷な形へと姿を変え、 シリーズの根幹に迫る物語が展開されます。
舞台となるのは、数千人の入植者を乗せたコロニー船コヴェナント号。 未知の惑星から届いた微かな信号をきっかけに、 乗組員たちは“地球に似た理想的な惑星”へと向かいます。 しかし、その静けさの裏には、想像を超える危険が潜んでいました。
『エイリアン』シリーズ
全体目次(第1回〜最終回)
- 『エイリアン』総括編──未知の恐怖に触れる“シリーズの魅力”
- 『エイリアン1』(1979)──SFホラーの原点となった“最初の恐怖”
- 『エイリアン2』(1986)──恐怖が再び目を覚ます
- 『エイリアン3』(1992)──絶望の中で“孤独な恐怖”が目を覚ます
- 『エイリアン4』(1997)──再生がもたらす“新たな恐怖”
- 『プロメテウス』(2012)──“起源”へと遡る神話が始まる
- 『エイリアン:コヴェナント』(2017)──“創造”が生む新たな恐怖
第6作『エイリアン:コヴェナント』(2017)──“進化”がもたらす恐怖の再定義
コヴェナント号の乗組員たちは、入植計画を担う“未来を運ぶ存在”として描かれます。 彼らが向かう先は、地球に似た環境を持つ“理想的な惑星”。 しかし、その静けさはどこか不自然で、 前作『プロメテウス』で提示された“創造の神話”が、 より歪んだ形で姿を現す舞台となっていきます。
本作では、創造・進化・生命の境界といったテーマが前面に押し出され、 シリーズの根幹に触れる“恐怖の起源”がより明確に描かれます。 特にデヴィッドの存在が物語の中心に据えられ、 彼の思想が作品全体の空気を大きく変えていきます。
あらすじ:未知の惑星で“創造と破壊”が交差する
コヴェナント号には、入植者と胚を含む数千人の未来が託されていました。 航行中の事故により、乗組員は計画を変更せざるを得なくなり、 近くにある未知の惑星を調査することになります。
その惑星は地球に似た空気と環境を持ちながら、 どこか不自然なほど静まり返っていました。 探索を進める中で、乗組員たちは“予期せぬ人物”と遭遇し、 前作で残された謎が再び動き始めます。
やがて彼らは、惑星に隠された“創造の痕跡”と向き合うことになり、 その先には、想像を超える“進化の恐怖”が待ち受けていました。
『エイリアン:コヴェナント』が“今も語られる理由”
● 『プロメテウス』の神話が“恐怖”として結実
創造主の物語が、より直接的で残酷な形へとつながる。
● デヴィッドの存在が物語の中心に
彼の思想と行動が、シリーズの方向性を大きく変える。
● エイリアン誕生の“鍵”が描かれる
シリーズの根幹に触れる重要なエピソード。
● リドリー・スコットの映像美と緊張感
静けさと暴力が同居する独特の世界観が際立つ。
制作の裏話:シリーズに刻まれた“創造の影”
● リドリー・スコットの“原点回帰”
『プロメテウス』で広げた神話を、再びホラー寄りに調整。
● デヴィッド役ファスベンダーの二役
彼の演技が作品の緊張感を大きく支えている。
● エイリアンの造形がさらに進化
より生物的で、より恐ろしく、 “誕生”を意識した表現が取り入れられた。
● シリーズの中でも議論を呼んだ作品
神話性とホラーのバランスが、ファンの間で賛否を生んだ。
✦ エイリアンシリーズの“おすすめの読み方”
エイリアンシリーズは、公開順と物語順が異なるため、 どこから読むかで印象が大きく変わります。 ここでは、シリーズをより深く味わうための おすすめの読み順 を紹介します。
■ ① 公開順で読む(王道ルート)
まずは1979年の原点から始まる“公開順”がおすすめです。
- エイリアン(1979)
- エイリアン2
- エイリアン3
- エイリアン4
- プロメテウス
- エイリアン:コヴェナント
この順番は、 「恐怖の始まり → シリーズの深化 → 神話編へ」 という流れが自然に体験できます。
■ ② 起源から読む(神話ルート)
物語の“根”から理解したい人にはこちら。
- プロメテウス
- エイリアン:コヴェナント
- エイリアン(1979)
- エイリアン2
- エイリアン3
- エイリアン4
「創造 → 進化 → 恐怖の誕生」 という神話的な流れがより強く感じられます。
■ ③ テーマ別に読む(深掘りルート)
シリーズを“テーマ”で読み解く方法もあります。
- 孤独と恐怖の原点:エイリアン(1979)
- 戦闘とサバイバル:エイリアン2
- 絶望と宿命:エイリアン3
- 再生と変異:エイリアン4
- 創造と神話:プロメテウス
- 進化と破壊:コヴェナント
テーマごとに読むと、 リプリーという人物像や、エイリアンという存在の“意味”が立体的に見えてくる。
まとめ:あなたのペースで“宇宙の恐怖”を旅してほしい
エイリアンシリーズは、 単なるモンスター映画ではなく、 人間・生命・創造・進化 といった深いテーマが織り込まれた壮大な物語です。
どの順番で読んでも楽しめるけれど、 自分の興味に合わせて読み方を選ぶことで、 作品の見え方が大きく変わります。

『エイリアン:コヴェナント』は、前作『プロメテウス』で描かれた神話が 一気に“恐怖”として形を持ち始める作品でした。 静かな惑星の不気味さと、デヴィッドの存在が生み出す緊張感が強烈で、 観ている間ずっと胸の奥がざわつくような感覚が続きました。 シリーズの中でも特に“創造と恐怖”が密接に結びついた一本だと思います。
