
1986年に公開されたシリーズ第2作『エイリアン2』は、前作の“静かな恐怖”から一転し、SFアクションとしてのスケールと緊張感を一気に押し広げた続編です。監督は『ターミネーター』で知られるジェームズ・キャメロン。彼の手によって、リプリーの物語は“恐怖に立ち向かう戦い”へと進化していきます。
『エイリアン』シリーズ
全体目次(第1回〜最終回)
- 『エイリアン』総括編──未知の恐怖に触れる“シリーズの魅力”
- 『エイリアン1』(1979)──SFホラーの原点となった“最初の恐怖”
- 『エイリアン2』(1986)──恐怖が再び目を覚ます
- 『エイリアン3』(1992)──絶望の中で“孤独な恐怖”が目を覚ます
- 『エイリアン4』(1997)──再生がもたらす“新たな恐怖”
- 『プロメテウス』(2012)──“起源”へと遡る神話が始まる
- 『エイリアン:コヴェナント』(2017)──“創造”が生む新たな恐怖
第2作『エイリアン2』(1986)──恐怖が“戦い”へと進化する
前作で唯一の生存者となったリプリーは、宇宙を漂流した末に救助され、長い眠りから目覚めます。しかし、彼女が恐怖の体験をした惑星LV-426は、すでに人類の入植地として開拓されていました。ところが、入植者たちとの連絡が突然途絶え、リプリーは再び“あの惑星”へ向かうことになります。今回は海兵隊とともに、未知の恐怖に立ち向かう“戦いの物語”が始まります。
あらすじ:海兵隊とともに挑む“絶望の惑星”
リプリーは、消息を絶った入植者たちの調査のため、海兵隊の精鋭部隊とともにLV-426へ向かいます。しかし基地に到着すると、そこに待っていたのは想像を超える数のエイリアンたちでした。圧倒的な戦力差の中、リプリーは少女ニュートと出会い、彼女を守るために再び恐怖と向き合うことになります。
やがて物語は、“母としてのリプリー”と“女王エイリアン”の対決へと向かい、シリーズ屈指の名シーンが生まれます。
『エイリアン2』が“今も語られる理由”
● アクションと恐怖の完璧な融合
海兵隊の戦闘シーンとエイリアンの不気味さが絶妙に組み合わさり、SFアクション映画の金字塔となった。
● リプリーのキャラクターが深化
少女ニュートとの関係を通して“守る者としての強さ”が描かれ、リプリーは映画史に残るヒロインへと成長する。
● 女王エイリアンの衝撃
巨大で獰猛な“エイリアン・クイーン”の登場は、シリーズの象徴的存在となった。
制作の裏話:キャメロン流の“戦うエイリアン”
● 海兵隊のセリフはアドリブが多い
特にハドソンの名言は、現場で生まれたものが多いと言われている。
● 女王エイリアンは巨大アニマトロニクス
複数人が同時に操作する複雑な仕組みで、当時としては驚異的な技術だった。
● リプリーとニュートの関係はキャメロンのこだわり
“母性”をテーマにすることで、物語に深い感情の軸が生まれた。
次回予告:『エイリアン3』──閉ざされた世界での“絶望”
次回は、デヴィッド・フィンチャー監督の長編デビュー作 『エイリアン3』(1992) を取り上げます。舞台は刑務所惑星。武器も仲間もない中で、リプリーは再び“孤独な戦い”に挑むことになります。

前作とはまったく違う“戦うエイリアン”の迫力に圧倒されましたが、何より心を揺さぶられたのは、ニュートという少女の存在でした。彼女がそこにいるだけで、恐怖が一気に現実味を帯び、ただのモンスター映画ではなく“守るべき命がある物語”へと変わっていくんです。リプリーが少女を抱きしめるたびに緊張感が高まり、観ているこちらまで息を詰めてしまうほどでした。あの切実な恐怖と没入感は、今でも鮮明に覚えています。
