
電工1種とは
第一種電気工事士(通称:電工1種)は、高圧で受電する建物の電気工事まで行うことができる国家資格です。 一般住宅を中心とした工事を行う第二種電気工事士に対し、電工1種では工場・ビル・商業施設など、より規模の大きな電気設備に関わることができます。
私は第二種電気工事士に合格したあと、間を空けずに第一種電気工事士へ挑戦し、半年後に合格しました。 その経験から言えるのは、電工1種は「特別な人だけが取れる資格」ではなく、2種の知識が残っているうちに正しく対策すれば、十分に現実的な資格だということです。
電工1種でできること
第一種電気工事士の免状を取得すると、次のような電気工事が可能になります。
- 高圧で受電する建物の電気工事
- 工場やビル、商業施設の電気設備工事
- 受変電設備に関わる工事(実務経験などの条件あり)
第二種電気工事士では対応できない範囲の工事にも携われるため、 仕事の幅が大きく広がる資格といえます。

1種は“合格 → 実務経験 → 免状取得”の3ステップ。 合格はスタートラインで、免状を取って初めて1種の仕事ができます。
第二種電気工事士との違い
電工1種と電工2種の大きな違いは、工事できる設備の規模と電圧です。
- 第二種電気工事士 一般住宅や小規模店舗が中心
- 第一種電気工事士 工場・ビル・大型施設なども対応可能
実際に2種から1種へステップアップして感じたのは、 「まったく別の資格」というよりも、2種の知識を土台にしてレベルアップしていく資格だという点でした。
2種合格直後に1種へ挑戦するメリット
私が2種合格から半年で1種に合格できた理由のひとつは、 2種で学んだ内容が頭に残っている状態で勉強を始められたことです。
- 電気理論の基礎がすでに身についている
- 配線図の読み方に慣れている
- 実技作業の手順がイメージできる
この状態から1種の勉強に入ることで、 「ゼロから覚える」のではなく「積み上げる感覚」で対策ができました。
電工1種はどんな資格か
第一種電気工事士は、難易度が高いイメージを持たれがちですが、 実際には正しい順番で勉強すれば、独学でも十分に合格を狙える資格です。
特に、第二種電気工事士を取得したばかりの人にとっては、 知識や感覚が残っている分、挑戦しやすいタイミングだと感じています。

電気の仕事は未経験の状態から2種に挑戦し、合格。
半年後には1種にも合格できました!
令和8年度(2026年) 第一種電気工事士 試験日程(一覧)
■ 上期試験
- 受験申込期間 : 2026年2月13日(金)〜 3月2日(月)
- CBT会場予約期間 : 2026年3月9日(月)〜 4月13日(月)
- 学科試験(CBT方式) : 2026年4月1日(水)〜 5月8日(金)
- 学科試験(筆記方式) : ※上期は実施なし(CBTのみ)
- 技能試験 : 2026年7月4日(土)
■ 下期試験
- 受験申込期間 : 2026年7月27日(月)〜 8月13日(木)
- CBT会場予約期間 : 2026年8月20日(木)〜 9月24日(木)
- 学科試験(CBT方式) : 2026年9月11日(金)〜 10月18日(日)
- 学科試験(筆記方式) : 2026年10月4日(日)
- 技能試験 : 2026年11月21日(土)
試験概要(筆記試験)
第一種電気工事士の学科試験(筆記試験)は、全50問の四肢択一(4択)形式で実施されます。 合格基準自体はシンプルですが、出題範囲は第二種電気工事士と比べて大幅に広がり、より専門的な内容が中心となります。
合格基準
- 合格点:100点満点中 60点以上
- 配点:1問2点 × 50問
- 目安:30問以上の正解で合格
年度によって難易度調整が行われることはありますが、基本的には「30問正解」を目標に対策すれば問題ありません。
試験内容と問題の構成
全50問は、大きく次の3つのパートで構成されています。
一般問題(第1問〜第30問)
電気工事士として必要な理論・知識を問う問題が中心です。
- 電気理論・配電理論(約10問) 三相交流回路の計算、電圧降下、電力損失などが出題され、計算問題の比重が高い分野です。
- 高圧受電設備(約10問) キュービクル内の機器(断路器・遮断器・変成器など)の役割や仕組みが問われ、第一種ならではの重要分野となります。
- 検査・点検・施工(約10問) 絶縁耐力試験、接地抵抗測定、高圧工事の施工方法など、実務に直結する内容が出題されます。
※電気理論・配電理論の計算問題は、例年おおよそ10問前後出題されますが、 年度によって出題数は多少前後します。 毎年必ず同じ配分になるわけではないため、「計算問題は約10問程度」と捉えておくとよいでしょう。
配線図問題(第31問〜第45問)
ビルなどの受電設備を想定した単線図を読み取り、使用されている機器や図記号の意味を答える問題です。 電動機の始動回路など、シーケンス制御に関する知識も求められます。
鑑別・法令(第46問〜第50問)
- 鑑別問題:写真を見て、工具や材料の名称を答える問題
- 法令問題:電気工事士法や電気事業法など、関係法令から出題されます
第一種ならではの特徴
- 「高圧」が試験の中心 第二種が低圧(100V・200V)中心なのに対し、第一種では6,600Vの高圧受電設備に関する問題が全体の約半分を占めます。
- 三相交流の計算が必須 計算問題では「√3(約1.73)」を用いた三相交流の計算が頻出します。
- CBT方式への対応 2024年以降、上期試験はCBT方式(パソコン受験)が導入され、画面上で問題を解き、計算は配布されるメモ用紙で行う形式となっています。
※第一種電気工事士の学科試験は、近年CBT方式(パソコン受験)が導入されています。 ただし、実施方式は年度や試験期(上期・下期)によって異なる場合があります。 受験前には、必ず最新の試験案内を確認しておくことが重要です。
筆記試験は、出題構成を理解したうえで、理論の理解と過去問演習を積み重ねることが合格への近道になります。

計算問題をすべて解けなくても合格は可能です。知識問題を確実に取ることが前提ですが、特に『高圧機器の鑑別(写真問題)』と『法令』は、必ず得点源にしたいポイントだと感じました。
下記の本は実際に使用していた参考本です。


試験概要(技能試験)
第一種電気工事士の技能試験は、毎年度事前に公表される候補問題(No.1〜No.10)の中から、当日指定された1問を60分以内に完成させる実技試験です。配線図を正しく読み取り、支給された材料と持参した工具を使って、決められた施工条件どおりに作業を行います。
この試験で最も重要なポイントは、技能試験が点数制ではなく、完成した作品に欠陥があるかどうかで合否が判定されるという点です。 完成度の高さよりも、基本作業を確実に行い、欠陥を出さないことが合否を左右します。
試験内容:何を作るのか
第一種電気工事士の技能試験では、主に工場やビルなどの高圧受電設備(キュービクル)を模した回路を作成します。
- 高圧部分の再現 変圧器や遮断器などの高圧機器を、端子台に見立てて結線します。
- 特殊な電線の扱い 高圧絶縁電線(KIP)や、5.5sqなどの太いケーブルを使用します。 KIP線は被覆が硬く、加工には慣れが必要です。
- 低圧部分の配線 スイッチ、コンセント、ランプレセプタクル(電球)、動力用コンセントなど、一般的な低圧配線も含まれます。
合格・不合格を分ける判断基準
試験終了後、完成した作品は試験官によって確認され、欠陥の有無で合否が判定されます。
重大な欠陥(いずれか一つで不合格)
- 誤結線(配線図と異なる接続)
- 未完成(制限時間内に作業が終わらない)
- 極性間違い(コンセントの接地側に黒線を接続するなど)
- 絶縁被覆の噛み込み
- 芯線の露出(端子台で規定以上はみ出している場合など)
施工上の注意点
- 電線の寸法が指定長さの50%以下になると欠陥
- リングスリーブは、電線の太さに合った正しい刻印(○・小・中)で圧着する必要があります
第一種ならではの難所
第二種電気工事士の技能試験と比べた場合、第一種特有の難しさは 「ケーブルの硬さ」と「端子台の多さ」にあります。
- 太い電線を扱うため、加工にはある程度の握力と慣れが必要
- 施工条件が複雑で、「どの端子に、どの色の電線を接続するか」を正確に読み取らなければなりません ここを読み飛ばすと、どれだけ丁寧に作業しても不合格になります。
技能試験を通して意識したこと
第一種電気工事士の技能試験は、 作業内容そのものよりも、事前準備と考え方の差が結果に表れやすい試験だと感じました。
課題の内容や使用する器具は毎年ある程度決まっており、 基本的な作業や流れを理解していれば、 本番で初めて見るようなことはほとんどありません。
一方で、 手順を整理せずに作業を始めてしまうと、 時間に追われたり、ミスにつながりやすくなります。
技能試験では、 「どれだけ難しい作業ができるか」よりも、 限られた時間の中で、確実に完成させる力が求められていると感じました。

試験後は机で待機し、試験官が作品を持ち上げて確認しました。
私の作品は崩れることなく、「よし!」と言われたのが印象的でした。
2種合格から半年で1種に合格できた理由
私が第二種電気工事士に合格してから、半年という短い期間で第一種電気工事士に合格できた理由は、 特別な才能や環境があったからではありません。 2種で身につけた知識と感覚が残っているうちに、正しい順番で対策できたことが大きかったと感じています。
2種の知識が「土台」としてそのまま使えた
第二種電気工事士の勉強を通して、すでに次のような基礎が身についていました。
- 電気理論の基本的な考え方
- 配線図の読み方
- 電線の扱い方や作業手順
この状態から1種の勉強を始めたことで、 ゼロから覚えるのではなく、積み上げる感覚で学習を進めることができました。
間を空けずに挑戦したことで「忘れる前」に進めた
2種合格後に期間を空けてしまうと、 せっかく身につけた知識や感覚が薄れてしまいます。
私はその点を意識し、 「知識が頭に残っているうちに1種へ進もう」と決めました。
結果として、
- 理論の復習に時間を取られにくい
- 配線図や実技作業に抵抗が少ない
といったメリットを感じながら勉強を進めることができました。
試験の全体像を最初に把握した
もうひとつ大きかったのは、勉強を始める前に、第一種電気工事士試験を 「合格するための試験」として捉え直したことです。
第一種電気工事士は出題範囲が広く、すべてを完璧に理解しようとすると、どうしても時間が足りなくなります。 そこで私は、「どこまで理解すれば合格点に届くのか」「どの分野が合否に直結しやすいのか」を意識して、試験全体を見渡すことから始めました。
特に重視したのは、出題頻度の高い分野と、比較的安定して点数を取りやすい分野を優先することです。 逆に、時間がかかるわりに得点につながりにくい部分は、深追いしすぎないようにしました。
このように、試験を「知識をすべて身につける場」ではなく、 「限られた時間の中で合格点を取る場」として整理できたことで、勉強の方向性が明確になりました。
結果として、必要以上に手を広げることなく、効率よく準備を進めることができ、 第二種電気工事士合格から半年という短期間での合格につながったと感じています。
「完璧」を目指さなかった
第一種電気工事士は難易度が高い資格ですが、 私は最初から完璧を目指すことはしませんでした。
- 出題されやすい分野を優先する
- 過去問を通して「合格点を取る」意識を持つ
- 実技は確実に完成させることを重視する
この考え方が、短期間での合格につながったと感じています。
半年合格は「現実的な目標」
実際に挑戦してみて感じたのは、 第二種電気工事士に合格した直後であれば、半年での1種合格は十分に現実的だということです。
正しい順番で対策し、 2種の知識を活かすことができれば、 第一種電気工事士は決して手の届かない資格ではありません。
電工2種と1種の違い(実体験ベース)
第二種電気工事士と第一種電気工事士は、名前こそ似ていますが、 実際に勉強してみると「まったく別物」というより、2種を土台にして一段階レベルが上がる資格だと感じました。
私自身、2種合格から半年で1種に合格しましたが、 その過程で「ここは2種の延長だった」「ここは明確に違った」と感じた点がいくつかあります。
電気理論は「難しくなる」というより「深くなる」
電工1種では、電気理論の難易度が一気に跳ね上がるイメージを持たれがちですが、 実際には2種で学んだ内容を、より正確に理解しているかどうかが問われていると感じました。
- オームの法則や電力計算は2種と同じ考え方
- ただし、計算問題の条件が増え、考える力が必要になる
2種の知識がしっかり身についていれば、 「初めて見る内容」よりも「理解が浅かった部分」を補強する感覚に近かったです。
配線図は2種経験者が圧倒的に有利
配線図については、2種を経験しているかどうかで差が出ると感じました。
- 記号の読み方
- 回路の流れの把握
- 結線のイメージ
これらは2種の勉強で自然と身についているため、 1種では新しい記号が増えても、対応しやすいと感じました。
実技試験は「作業量」と「時間管理」が大きく違う
実技試験については、2種と1種の違いを最も強く感じた部分です。
- 作業内容そのものは2種の延長
- ただし、作業量が増え、時間に余裕がない
特に、電磁開閉器などの器具が加わることで、 手順を考えながら作業する力が求められます。
2種の実技を経験していれば、工具の扱いや基本作業に迷うことは少なく、 「いかにスムーズに完成させるか」が勝負だと感じました。

多くの受験者は制限時間内に完成できず、途中で退席していました。
実技試験は、時間管理が合否を分けると強く感じました。
第2種の知識は「そのまま使える部分」が多い
1種を勉強していて感じたのは、 2種で学んだ内容が無駄になることはほとんどないという点です。
- 電気の基礎理論
- 配線図の読み方
- 実技作業の基本
これらはすべて1種でも使います。 だからこそ、2種合格直後は知識が新鮮な状態で、 1種に挑戦しやすいタイミングだと感じました。
実体験から感じた一番の違い
2種と1種の一番の違いは、 「覚えたかどうか」よりも「理解して使えるかどうか」が問われる点だと思います。
2種は基礎を身につける資格、 1種はその基礎を使って考える資格。この違いを意識できたことで、 無理なく1種に合格できました。
電工1種でできること・仕事の広がり
第一種電気工事士は、第二種電気工事士と比べて、 関われる建物や設備の規模が大きく広がる資格です。 ここで紹介する「できること」は、すべて免状交付後を前提としています。
扱える建物の種類が大きく広がる
第二種電気工事士が扱えるのは、 一般住宅や小規模店舗などの一般用電気工作物が中心です。
一方、第一種電気工事士は、 自家用電気工作物(最大電力500kW未満)の電気工事に携われるようになります。
具体的には、次のような建物や施設です。
- ビル、デパート、ホテル
- 病院、学校などの公共施設
- 工場、倉庫、変電所
これらは電気設備の規模が大きく、 第一種電気工事士の資格が求められる現場になります。
高圧受電設備(キュービクル)に関わる工事ができる
第一種電気工事士の大きな特徴は、 6,600Vの高圧で受電している設備の工事や改修に携われることです。
代表的な作業内容には、次のようなものがあります。
- キュービクルの新設・改修工事
- 変圧器(トランス)や遮断器などの機器交換
- 高圧ケーブルの引き込みや端末処理
なお、高圧設備の保安監督や最終的な点検責任は電気主任技術者の職務です。 第一種電気工事士は、工事・改修を担当し、電気主任技術者と連携して作業を行います。
仕事の内容が「配線作業」から「設備全体」へ変わる
第一種電気工事士になると、 扱う仕事は単なる配線作業にとどまりません。
- 低圧工事(照明・コンセントなど)
- 動力設備への電源供給
- 受電設備を含めた電気設備全体の工事
- 計装・制御設備への対応
建物全体の電気設備を意識した工事が求められるようになり、 仕事の責任や専門性も高まっていきます。
キャリアや評価の面でも広がりが出る
第一種電気工事士を取得することで、
- 資格手当が上がる
- 大規模現場に配置できる人材として評価される
- 転職や独立の際に強みになる
といった変化が期待できます。 「できる仕事が増える」だけでなく、 任される立場や将来の選択肢が広がる資格だと感じました。

ここで紹介している内容は、
実務経験を積み、免状を取得した後にできることを前提にしています。
試験合格だけで現場作業ができるわけではない点には注意が必要です。
まとめ:このブログが目指していること
試験の情報だけで終わらせない
このブログでは、 第一種電気工事士の試験内容や勉強方法だけでなく、 実際の現場や資格取得後を見据えた情報を大切にしています。
「難しい資格」「すごい資格」という表面的な評価ではなく、 試験の流れや注意点、 技能試験で意識すべきポイントなど、 これから受験する人が現実的なイメージを持てることを目指しています。
合格後の姿を具体的に伝える
第一種電気工事士は、 試験に合格することがゴールではありません。
実務経験を積み、免状を取得し、 現場で少しずつ信頼を積み重ねていくことで、 はじめて資格としての価値が発揮されます。
このブログでは、 免状取得後に関われる仕事や、 現場で求められる考え方についても、 できるだけ具体的に伝えるようにしています。
不安を減らし、一歩踏み出すきっかけに
「自分にもできるのか不安」 「何から準備すればいいのか分からない」
そんな気持ちを持つ人が、 少しでも安心して一歩踏み出せるよう、 実体験を交えながら情報をまとめています。
無理に背中を押すのではなく、 正しい情報を知ったうえで判断できる材料を提供することが、 このブログの役割だと考えています。
自分のペースでステップアップするために
第一種電気工事士への挑戦は、人それぞれのタイミングや環境があります。 焦って進む必要はなく、今の自分に合ったペースで一歩ずつ積み重ねていくことが大切だと感じています。
第一種電気工事士は、試験に合格したあと、実務経験を積むことで免状を取得し、 さらに条件を満たせば認定電気工事従事者認定証を取得することも可能です。 この認定を受けることで、自家用電気工作物の低圧部分に関わる作業の幅が広がり、 現場での役割や選択肢も少しずつ増えていきます。
このブログでは、試験合格だけをゴールにするのではなく、 免状取得や認定取得といったその先のステップも見据えた情報を通して、 遠回りせず、正しい順序で成長していくための考え方を伝えることを目指してきました。
これから第一種電気工事士を目指す方が、 不安を減らし、自分なりの判断で前に進むための参考になれば幸いです。

注意!!(実務経験について)
第一種電気工事士の免状取得に必要な実務経験は、 第二種電気工事士免状を取得したうえで行った電気工事が対象となります。
試験に合格していても、免状を持たない状態で行った工事は、 原則として実務経験として認められません。
まずは第二種電気工事士免状を取得し、 正規の電気工事として実務経験を積むことが大切です。
