ストーリー

青を追いかけた日々

第2回:「S100』/ 道具の「手応え」を求めて。技術屋が電卓に求める美学。

「計算ができれば、どんな電卓でも同じではないか」効率を優先する現代において、そんな声が聞こえてきそうだ。 しかし、自作PCの内部配線に美しさを見出し、お城の石垣の積み方にため息をつくような私にとって、道具とは単なる「機能の塊」ではない。それ...
電気の歴史と進化

第5回:日本の電力会社の誕生と送電網を作った人々(人物伝編)

発電所で生まれた電気は、そのままでは社会を動かせない。 家や工場へ“届ける道”があって初めて、光も機械も動き出す。明治の日本には、その道がなかった。 それでも藤岡市助、木村駒吉、松永安左エ門らが立ち上がり、 電気を届ける仕組み――送電網と電...
電気の歴史と進化

第3回:日本に電気がやってきた(日本編)

1878年(明治11年)、東京・虎ノ門。 工部大学校の構内に集まった人々は、目の前の奇妙な装置を息をのんで見つめていた。 金属の棒と棒のあいだに、白い光がゆらめいている。 それは炎ではなく、油も薪も使わない――“電気の光”だった。新聞は翌日...
青を追いかけた日々

第5回:「S100』/ 指先が想像する「正解」。V字ギア構造への期待。

カタログの仕様表を読み込み、内部構造の図解を凝視する。 実物を手にする前のこの時間は、技術屋にとって最も愉しく、かつ真剣な「シミュレーション」のひとときだ。私がS100に対して、ある種の畏怖すら覚えて期待しているのは、そのキーの内部に秘めら...
電話の歴史:声が世界をつないだ

第2回:世界編(電話の誕生)

19世紀の世界は、すでに「電信」という魔法を手に入れていました。 遠く離れた都市同士が、点と点を結ぶように文字の信号でつながる──それは人類にとって初めての“瞬時の通信”でした。けれど、人々はすぐに気づきます。 文字だけでは、伝わらないもの...
電話の歴史:声が世界をつないだ

第7回:携帯電話の誕生と普及

かつて、電話は「家にあるもの」だった。 壁に取り付けられた受話器、黒いダイヤル、長く伸びたカールコード。 電話は場所に縛られ、私たちもまたその場所に縛られていた。しかし1980年代後半、世界は静かに変わり始める。 肩に担ぐショルダーフォン、...
青を追いかけた日々

第3回:「S100』/ 山形カシオという聖地。マザーファクトリー。

地図を眺めながら、私は自分の「無意識」に驚いていた。 カシオの最高峰電卓・S100を生み出している「山形カシオ」の所在地。それは、私が趣味のドライブやツーリングで、毎年欠かさず走り通っていた国道13号線のすぐそばにあったのだ。いつも眺めてい...
電気の歴史と進化

第8回:最新エネルギーの未来 ― 電気は「作る」から「賢く使う」時代へ ―

電気は長いあいだ、「発電して使う」ものでした。 しかし再生可能エネルギーの拡大により、電力は不安定さを抱えるようになります。これから重要になるのは、 どれだけ作れるかではなく、どう貯め、どう調整し、どう使うかです。揚水発電、洋上風力、SMR...
青を追いかけた日々

第1回:「S100』/ 原点は1978年。将棋大会の帰りに震えた「カシオの電卓」の衝撃。

記憶の針を、1978年(昭和53年)へと戻してみる。 当時、小学6年生だった私の心は、二つの「知性」に揺さぶられていた。ひとつは、祖父の隣でぼんやりと教わった「将棋の技術」。 もうひとつは、文房具屋のガラス越しに見た「電卓の魔法」だ。縁側で...
青を追いかけた日々

第1章:「OCEANUS」/ 山形の空と、青に導かれた日々

山形へ向かう道と、静かな聖域私は昔から、よくバイクで山形へ向かった。 国道13号線を南へ走り、山を越え、風を切りながら走る時間は、日常から解き放たれるような特別なひとときだった。旅の途中で必ず立ち寄る場所があった。 山形空港だ。フェンス越し...
電気の歴史と進化

第1回:電気の誕生(世界)

私たちはスイッチを押せば部屋が明るくなり、 コンセントに差せば家電が動く。 電気は空気のように、あって当然の存在になっている。けれど、ほんの150年前まで、 電気は“謎の力”であり、神の領域”だった。雷は神の怒りと恐れられ、 琥珀をこすると...
電話の歴史:声が世界をつないだ

第1回:電話が生まれる前 ― 人類の通信の歴史

人類は長いあいだ、声を遠くへ届ける術を持ちませんでした。 知らせは人が運び、距離は思いを遮る壁のまま。 どれほど強い思いも、どれほど急ぎの知らせも、 人の足より速く伝える方法はなかったのです。やがて文字が生まれ、手紙が広まり、 電信によって...
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