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認定電気工事従事者とは?|第二種との違いと第一種試験合格者が知っておくべきポイント

電気工事の資格について調べていると、「認定電気工事従事者」という言葉を目にすることがあります。 第二種電気工事士と何が違うのか、第一種試験に合格している場合はどんな意味があるのか、分かりにくいと感じる人も多いのではないでしょうか。

この記事では、電気工事をこれから始める人にも分かるように、 認定電気工事従事者の基本から、第二種との違い、第一種試験合格者が知っておくべきポイントまで、順番に解説していきます。

目次(上)
  1. 認定電気工事従事者とは
  2. 第二種電気工事士と認定電気工事従事者の違い
    1. 主な違いは次のとおりです。
  3. 認定電気工事従事者ができる作業
    1. 一般住宅(戸建て・小規模アパート)の場合【作業不可】
      1. ルール
      2. 結論
    2. 高圧受電のマンション・ビル内の住戸の場合【作業可能】
      1. ルール
      2. 結論
    3. 建物ごとの作業可否まとめ
    4. 「指示・管理があればOK」は一般住宅には当てはまらない
    5. 無資格でもできる「軽微な作業」
    6. 第一種試験合格者が知っておくべきポイント
  4. 第一種電気工事士試験合格者が認定電気工事従事者を取得する意味
    1. 認定電気工事従事者を取得すると何が変わるのか
      1. 一般住宅の工事は、取得後もできない
      2. 高圧受電の建物では作業できるようになる
          1. 作業できる条件
      3. 第一種試験合格者にとっての位置づけ
    2. 第一種試験合格者にとっての現実的な選択肢
      1. 選択肢① 第二種電気工事士の免状を取得する
      2. 選択肢② 認定電気工事従事者を取得する
      3. 選択肢③ 実務経験を積み、第一種の免状取得を目指す
      4. どれを選ぶべきか
  5. 認定電気工事従事者の取得方法
    1. 認定電気工事従事者の取得ルート
    2. ルートA(講習免除)|第一種電気工事士試験合格者の場合
      1. なぜ講習が免除されるのか
      2. 取得の流れ
    3. ルートB(講習が必要)|第二種電気工事士の免状を持っている場合
      1. 取得の流れ
    4. 申請先と必要書類(共通)
    5. 注意点:第一種は「免状」ではなく「試験合格」で申請できる
  6. 認定電気工事従事者が工事前に必ず確認すべき法律上の注意点
    1. 建物区分の確認を怠ると「無資格工事」になる
    2. 違反した場合のリスク
    3. 「確認しなかった」こと自体が問題になる
    4. 認定電気工事従事者に求められる姿勢

認定電気工事従事者とは

認定電気工事従事者とは、主にビルや工場などの建物で使われている電気設備について、安全に工事を行うための知識を持っている人として、国の制度に基づいて認められた資格です。

電気工事と聞くと難しく感じるかもしれませんが、認定電気工事従事者が関わるのは、主に私たちの身近にある電気です。 たとえば、コンセントや照明、エアコンの電源など、日常生活で使われている電気設備が対象になります。

この資格の大きな特徴は、試験に合格して取得する資格ではないという点です。 一定期間、電気工事の仕事を経験した人が、決められた講習を受けることで取得できます。

また、あまり知られていませんが、第一種電気工事士試験に合格している人も、条件を満たせば認定電気工事従事者を取得することができます。 「まだ第一種の免状は交付されていないけれど、試験には合格している」という段階でも、認定電気工事従事者として認められるケースがあるのです。

ただし、認定電気工事従事者は、第二種電気工事士や第一種電気工事士のように、電気工事士の免状が交付される資格ではありません。 講習を修了したことを証明する資格のため、電気工事士とは法律上の位置づけが異なります。

そのため、

  • どんな作業ができるのか
  • 第二種電気工事士と何が違うのか
  • 第一種試験合格者が取得すると、どんな意味があるのか

を正しく理解しておくことがとても重要です。

次の章では、まず認定電気工事従事者と第二種電気工事士の違いについて、電気工事が初めての人にも分かるように説明していきます。

第二種電気工事士と認定電気工事従事者の違い

第二種電気工事士と認定電気工事従事者は、どちらも低圧電気工事に関わる資格ですが、資格の成り立ちや法律上の立場に違いがあります。

主な違いは次のとおりです。

  • 資格の取得方法が違う 第二種電気工事士は、国家試験に合格して取得する資格です。 認定電気工事従事者は、実務経験を積んだうえで講習を受けて取得します。
  • 国家資格かどうかが違う 第二種電気工事士は、国家資格として定められた「電気工事士」です。 認定電気工事従事者は、国家資格ではなく、講習修了により認められる資格です。
  • 資格としての扱われ方が違う 第二種電気工事士は、電気工事士として工事を行います。 認定電気工事従事者は、電気工事士のもとで、決められた範囲の作業に関わります。
  • 働き方や責任の持ち方が違う 第二種電気工事士は、電気工事士として工事の責任を持つ立場です。 認定電気工事従事者は、事業所に所属し、指示や管理のもとで工事に従事します。

このように、第二種電気工事士と認定電気工事従事者は、 「できる作業が似ているから同じ資格」と考えると誤解しやすい点に注意が必要です。

次の章では、認定電気工事従事者が具体的にどんな作業ができるのかを、身近な例を使って説明していきます。

認定電気工事従事者ができる作業

認定電気工事従事者が行える電気工事は、 すべての建物で自由に作業できるわけではありません。

法律上、作業できる範囲は 「自家用電気工作物(ビル・工場・高圧受電マンションなど)」の低圧部分に限られています。

この点を理解していないと、 「資格を取ったのに家の工事ができない」 という誤解につながりやすいため注意が必要です。

一般住宅(戸建て・小規模アパート)の場合【作業不可】

多くの方が意外に感じる点ですが、 一般的な一戸建て住宅や、一括受電していないアパートは、 法律上 「一般用電気工作物」 に分類されます。

ルール

一般用電気工作物の電気工事には、 第二種電気工事士以上の国家資格(免状) が必須です。

結論

認定電気工事従事者の資格だけでは、

  • コンセントの交換
  • 照明器具の取り付け
  • エアコンの直接配線工事

といった作業を、一人で行うことはできません。

たとえ第一種電気工事士試験に合格していても、 免状を取得するまでは、一般住宅の工事は認められていません。

高圧受電のマンション・ビル内の住戸の場合【作業可能】

一方、建物全体で高圧受電(キュービクル設置)している マンションやビルは 「自家用電気工作物」 に該当します。

ルール

自家用電気工作物のうち、 600V以下の低圧部分の電気工事は、 認定電気工事従事者の作業範囲に含まれます。

結論

この条件を満たす建物であれば、

  • 自宅内のコンセント交換
  • エアコン設置(電気工事を伴うもの)
  • 照明器具の取り付け

といった作業を、認定電気工事従事者として一人で行うことが可能です。

建物ごとの作業可否まとめ

建物の種類電気工作物の区分認定電気工事従事者
 一般住宅(戸建て・小規模アパート)   一般用電気工作物   ✕ 作業不可
 ビル・工場・高圧受電マンション 自家用電気工作物 ◯ 600V以下なら可  

「指示・管理があればOK」は一般住宅には当てはまらない

よくある誤解として、 「有資格者の指示や立ち会いがあれば作業できるのでは?」 と思われがちですが、これは一般住宅には適用されません。

電気工事士法では、

  • 一般用電気工作物については 免状を持たない者は、軽微な作業を除き電気工事に従事できない
  • 「指示・監督下で無資格者が作業できる」規定は 自家用電気工作物の現場に限られる

と定められています。

そのため、 一般住宅では、たとえ隣で電気工事士が見守っていても、 無資格者が配線や器具交換を行うことは法律で禁止されています。

無資格でもできる「軽微な作業」

以下の作業は、電気工事に該当しないため、資格がなくても行えます。

  • コンセントへのプラグの抜き差し
  • 電球の交換
  • 露出コードをステップルで固定する作業
  • 乾電池式インターホンの取り付け
  • ヒューズの交換

一方で、

  • 壁内配線に触れる
  • コンセントやスイッチ器具を外す

といった作業は、必ず有資格者が行う必要があります。

第一種試験合格者が知っておくべきポイント

「第一種試験に合格しているのに、なぜ自宅の工事ができないのか」 と疑問に感じる方も多いですが、

制度上、 第一種の免状(実務経験3年)を取得するまでは、 一般住宅の工事は第二種電気工事士の領域として守られている という位置づけになっています。

第一種電気工事士試験合格者が認定電気工事従事者を取得する意味

第一種電気工事士試験に合格すると、 「もう電気工事士として工事ができるのでは?」 と感じる方も多いと思います。

しかし実際には、試験合格だけでは電気工事士として扱われません。 第一種電気工事士として正式に認められるためには、 原則として3年以上の実務経験を積み、免状を取得する必要があります。

この「試験合格」と「免状取得」のあいだにある空白期間こそが、 多くの方が戸惑うポイントです。

ここで意味を持ってくるのが、 認定電気工事従事者の資格です。

認定電気工事従事者を取得すると何が変わるのか

第一種電気工事士試験に合格していても、 免状を取得するまでは、一般住宅の電気工事を行うことはできません。

しかし、第一種試験合格者が認定電気工事従事者を取得すると、 作業できる建物の種類と範囲が明確に変わります。

一般住宅の工事は、取得後もできない

まず重要な点として、 認定電気工事従事者を取得しても、

  • 一戸建て住宅
  • 小規模なアパートや集合住宅

といった、法律上 「一般用電気工作物」 に分類される建物の電気工事は行えません。

これらの建物の電気工事は、 第二種電気工事士以上の免状を持つ者に限って認められており、 試験合格者や認定電気工事従事者は対象外です。

高圧受電の建物では作業できるようになる

一方で、建物全体が高圧受電している マンションやビル、工場などは、 「自家用電気工作物」 に分類されます。

この区分の建物については、 認定電気工事従事者が作業できる範囲が法律で認められています。

作業できる条件
  • 建物が高圧受電(キュービクル設置)であること
  • 作業対象が 600V以下の低圧部分 であること

これらの条件を満たしていれば、

  • 専有部分内のコンセント交換
  • 照明器具の取り付け
  • エアコン設置に伴う電源工事

といった作業を、 認定電気工事従事者として行うことが可能になります。

第一種試験合格者にとっての位置づけ

認定電気工事従事者を取得することで、

  • 一般住宅 → 作業不可(変わらない)
  • 高圧受電の建物 → 低圧部分の作業が可能

という、はっきりとした違いが生まれます。

これは、

  • 第一種電気工事士試験に合格している
  • まだ免状を取得していない

という方にとって、 実務に関われる範囲を広げるための現実的な選択肢 であることを意味します。

第一種試験合格者にとっての現実的な選択肢

第一種電気工事士試験に合格したあと、 「では次に何をすればいいのか?」 と悩む方は少なくありません。

試験合格だけでは電気工事士として工事ができない以上、 現実的な選択肢は、次の3つに分かれます。

選択肢① 第二種電気工事士の免状を取得する

一般住宅の電気工事を行いたい場合、 最も早く、確実な方法がこの選択肢です。

第一種試験に合格していれば、 第二種電気工事士の学科試験は免除され、 技能試験のみで免状を取得できます。

  • 一戸建てや小規模アパートの工事が可能になる
  • 自宅のコンセント交換なども合法的に行える

「家の工事をしたい」という目的が明確な方には、 最も現実的なルートと言えます。

選択肢② 認定電気工事従事者を取得する

一般住宅ではなく、

  • ビル
  • 工場
  • 高圧受電のマンション

といった 自家用電気工作物 に関わる場合は、 認定電気工事従事者を取得することで、 600V以下の低圧部分の工事に従事できるようになります。

  • 一般住宅の工事はできない
  • 高圧受電建物の低圧工事に限定される

という制限はありますが、 第一種試験合格者にとっては、 免状取得までの空白期間を有効に使える資格です。

選択肢③ 実務経験を積み、第一種の免状取得を目指す

時間はかかりますが、 最終的にすべての制限をなくしたい場合は、 実務経験を積んで第一種電気工事士の免状を取得する という選択肢になります。

免状を取得すれば、

  • 一般住宅
  • 自家用電気工作物

いずれの電気工事にも対応できるようになります。

どれを選ぶべきか

どの選択肢が正解かは、 「どんな建物で、どんな工事をしたいのか」によって変わります。

  • 自宅や一般住宅の工事をしたい → 第二種電気工事士
  • ビルや高圧受電マンションに関わりたい → 認定電気工事従事者
  • 将来的にすべての工事を行いたい → 第一種免状取得

このように整理して考えると、 自分に合った進み方が見えてきます。

認定電気工事従事者の取得方法

認定電気工事従事者の取得方法は、 第一種電気工事士試験に合格しているか第二種電気工事士の免状を持っているかによって異なります。

まずは、全体像となる取得ルートを整理しておきましょう。

認定電気工事従事者の取得ルート

認定電気工事従事者の取得ルートは、大きく次の2つに分かれます。

  • ルートA(講習免除) 第一種電気工事士試験に合格している方が、 書類申請のみで取得する
  • ルートB(講習が必要) 第二種電気工事士の免状を持っている方などが、 所定の講習を受講して取得する

ルートA(講習免除)|第一種電気工事士試験合格者の場合

第一種電気工事士試験に合格している方は、 認定電気工事従事者講習を受ける必要はありません。 書類申請のみで、認定電気工事従事者の認定証を取得することができます。

なぜ講習が免除されるのか

第一種電気工事士試験では、

  • 自家用電気工作物に関する知識
  • 高圧・低圧設備の基礎
  • 電気主任技術者との関係

といった内容まで含めて評価されます。

そのため、第一種試験に合格している時点で、 認定電気工事従事者に必要な知識はすでに確認済み とみなされ、講習が免除される仕組みになっています。

取得の流れ

  • 第一種電気工事士試験に合格している
  • 産業保安監督部へ書類申請を行う
  • 認定証の交付を受ける

このルートでは、 実務経験や講習の受講は不要です。

ルートB(講習が必要)|第二種電気工事士の免状を持っている場合

第二種電気工事士の免状を持っている場合は、 認定電気工事従事者講習の受講が必須となります。

取得の流れ

  • 第二種電気工事士の免状を取得している
  • 所定の認定電気工事従事者講習を受講する
  • 講習修了後、申請を行う
  • 認定証の交付を受ける

この講習は、 自家用電気工作物に関する知識を補うことを目的としたもので、 原則として1日で修了します。

申請先と必要書類(共通)

申請先は、 都道府県知事ではなく、国の機関である「産業保安監督部」です。

主な必要書類は次のとおりです。

  • 認定申請書(産業保安監督部の公式サイトからダウンロード)
  • 試験合格証書または免状の写し(該当するもの)
  • 写真(指定サイズ)
  • 本人確認書類
  • 手数料(収入印紙) ※標準額:4,700円(申請時点の金額を要確認)

注意点:第一種は「免状」ではなく「試験合格」で申請できる

第一種電気工事士の場合、 免状(カード)を取得していなくても、試験に合格していれば申請可能 という点は、非常に重要なポイントです。

実務経験が不足していて、 第一種電気工事士の免状をまだ取得できない期間でも、 認定電気工事従事者を取得することで、 高圧受電建物における低圧工事に従事できるようになります。

私は先に第二種電気工事士の免状を取得し、その後、第一種電気工事士試験に合格しました。そのため、講習は不要で、書類申請だけで認定電気工事従事者の認定証を取得できました。

認定電気工事従事者が工事前に必ず確認すべき法律上の注意点

認定電気工事従事者は、 作業できる範囲が法律で明確に限定された資格です。

そのため、 建物の区分や受電方式を確認せずに工事を行うと、 本人に悪意がなくても「無資格工事」と判断される可能性があります。

建物区分の確認を怠ると「無資格工事」になる

電気工事士法では、

  • 一般用電気工作物
  • 自家用電気工作物

で、作業できる資格が明確に分けられています。

認定電気工事従事者が、 一般住宅や低圧受電の建物で工事を行った場合、 資格外工事=電気工事士法違反となります。

「知らなかった」「高圧だと思っていた」 といった理由は、免責にはなりません。

違反した場合のリスク

資格外工事が発覚した場合、 次のようなリスクが生じます。

  • 電気工事士法違反としての指導・処分
  • 事業者の場合、元請けや管理会社への影響
  • 事故発生時、保険が適用されない可能性
  • 最悪の場合、刑事責任を問われるケースもある

特に、 感電・火災などの事故が発生した場合は、 「資格を持っていなかった」こと自体が重大な過失 として扱われます。

「確認しなかった」こと自体が問題になる

重要なのは、 違反かどうかは結果ではなく、行為の時点で判断される という点です。

  • 建物が高圧受電かどうか
  • 作業対象が低圧部分かどうか

これらを事前に確認せずに工事を行えば、 たとえ事故が起きなくても、 法令違反と判断される余地が生まれます。

認定電気工事従事者に求められる姿勢

認定電気工事従事者は、 「何でもできる資格」ではありません。

だからこそ、

  • 建物の受電方式を確認する
  • 作業範囲が資格内かを確認する
  • 少しでも不明点があれば、管理者や有資格者に確認する

こうした姿勢そのものが、 資格者としての責任になります。

認定電気工事従事者は、 「できることが増える資格」ではありますが、 同時に「確認する責任が増える資格」でもあります。

建物の受電方式や作業範囲を確認せずに工事を行えば、 知らないうちに法令違反になる可能性もあります。

だからこそ、 自分の資格で何ができるのかを正しく理解し、 必ず確認したうえで工事に臨むことが何より重要だと感じています。

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