
危険物取扱者乙種は1類から6類まで分かれていますが、 試験の基本構成はすべて共通で、違いは各類ごとの危険物の性質だけです。
どの類を受験する場合でも、免除や併願制を利用しない限り、次の3科目が出題されます。 「危険物に関する法令」「基礎的な物理・化学」「危険物の性質・取扱い」です。
また、すでに乙種のいずれかに合格している場合、 次に受験する類では 法令と物理・化学が免除されます。 さらに乙種には併願制があり、併願した場合でも、法令と物理・化学は1回だけ受験になります。
この記事では、
- 各類で問われる試験内容
- その類を取得することで、どのような仕事に活かせるのか
をセットで整理します。 全体像を把握することで、無駄な不安や遠回りを減らすことができます。
乙種試験の基本構成はすべての類で共通
危険物取扱者乙種の試験は、1類から6類まで すべて同じ構成で実施されます。 どの類を受験する場合でも、免除や併願制を利用しない限り、次の3科目が出題されます。
危険物に関する法令
消防法を中心に、危険物の取扱いに関するルールが問われます。 取扱者の義務、貯蔵・取扱いの基準、立入検査や罰則など、 現場で守るべき基本的な決まりが出題範囲です。
基礎的な物理・化学
危険物を理解するために必要な、物理・化学の基礎知識が問われます。 燃焼の仕組み、物質の状態変化、熱や圧力、酸化・還元など、 高校レベルの内容が中心です。
危険物の性質・取扱い
この科目だけが 類ごとに内容が異なります。 各類に該当する危険物について、
- 性質
- 危険性
- 貯蔵・取扱い方法
- 消火方法
が出題されます。
乙種試験は、 「法令」「物理・化学」が共通で、「性質・取扱い」が類別 という構造になっています。
この仕組みを理解しておくことで、
- 学習範囲を整理しやすくなる
- 複数類の取得計画を立てやすくなる
といったメリットがあります。
次章からは、乙種1類〜6類それぞれについて、 試験内容の特徴と、仕事への活かし方を具体的に見ていきます。
乙種試験の基本構成はすべての類で共通
危険物取扱者乙種の試験は、1類から6類まで すべて同じ構成で実施されます。 どの類を受験する場合でも、免除や併願制を利用しない限り、次の3科目が出題されます。
危険物に関する法令
消防法を中心に、危険物の取扱いに関するルールが問われます。 取扱者の義務、貯蔵・取扱いの基準、立入検査や罰則など、 現場で守るべき基本的な決まりが出題範囲です。
基礎的な物理・化学
危険物を理解するために必要な、物理・化学の基礎知識が問われます。 燃焼の仕組み、物質の状態変化、熱や圧力、酸化・還元など、 高校レベルの内容が中心です。
危険物の性質・取扱い
この科目だけが 類ごとに内容が異なります。 各類に該当する危険物について、
- 性質
- 危険性
- 貯蔵・取扱い方法
- 消火方法
が出題されます。
乙種試験は、 「法令」「物理・化学」が共通で、「性質・取扱い」が類別 という構造になっています。
この仕組みを理解しておくことで、
- 学習範囲を整理しやすくなる
- 複数類の取得計画を立てやすくなる
といったメリットがあります。
次章からは、乙種1類〜6類それぞれについて、 試験内容の特徴と、仕事への活かし方を具体的に見ていきます。
乙種第1類(酸化性固体)の試験内容と仕事への活かし方
危険物取扱者乙種第1類は、 酸化性固体と呼ばれる危険物を扱うための資格です。 自ら燃えることはありませんが、酸素を供給することで 他の物質を激しく燃えやすくする性質を持っています。
すでに乙4など、他の乙種に合格している場合は免除制度が適用され、 乙1では 危険物の性質・火災予防・消火方法 のみが出題されます。 出題範囲が限定されるため、比較的短期間で合格を狙いやすい類です。
試験科目と問題数
免除制度を利用する場合、乙種第1類の試験構成は次のとおりです。
| 試験科目 | 通常の問題数 | 免除適用時 |
|---|---|---|
| 危険物に関する法令 | 15問 | 免除 |
| 基礎的な物理学及び基礎的な化学 | 10問 | 免除 |
| 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 | 10問 | 10問のみ実施 |
- 試験時間:120分(免除適用時:35分)
- 合格基準:性質・消火の科目で 60%以上(6問以上) の正解
乙1試験のメインテーマ:「酸化性固体」
第1類危険物は「酸化性固体」に分類されます。 試験では、次のような共通した性質が頻出です。
- 不燃性
- それ自体は燃えず、他の物質を燃えやすくする
- 酸素放出
- 加熱・衝撃・摩擦などで分解し、酸素を放出する
- 比重
- 1より大きく、水に沈むものが多い
- 状態
- 無色または白色の粉末・結晶が多い
注意が必要な物質と消火方法
乙1では、物質ごとの例外的な性質がよく出題されます。 特に重要なのが 無機過酸化物 です。
- 無機過酸化物
- 代表例:過酸化ナトリウム、過酸化カリウム
- 水と反応して熱と酸素を発生
- 注水厳禁
- 消火方法:乾燥砂などによる窒息消火
- その他の酸化性固体
- 代表例:塩素酸塩類、硝酸塩類
- 消火方法:多量の水による冷却消火
また、空気中の水分を吸って溶ける 潮解性を持つ物質も頻出です。
乙種第1類の主な就職先・活躍分野
乙種第1類は、 酸化剤や化学薬品を扱う現場で評価されやすい資格です。
- 化学メーカー・薬品関連工場
- 火薬・爆薬関連(原料管理・安全管理)
- 危険物倉庫・化学薬品保管施設
- 製造業の安全管理・品質管理部門
現場作業よりも、 管理・安全寄りのポジションで活かされることが多いのが特徴です。
乙1の就職面での特徴
乙種第1類は、
- 求人数は多くない
- その分、専門性が高い
という位置づけの資格です。
乙4ほど求人票に直接書かれることは少ないものの、 乙4+乙1 や 複数類取得の一部としての乙1 は、 安全意識と専門知識を兼ね備えた人材として評価されやすくなります。
効率的な学習のポイント
乙1の対策では、次の3点を意識すると効率的です。
- 共通の性質
- 酸化性、不燃性、酸素放出
- 例外的な物質
- 無機過酸化物の注水厳禁
- 個別の特徴
- 色、潮解性、分解温度
乙種第3類(自然発火性物質・禁水性物質)の試験内容と仕事への活かし方
危険物取扱者乙種第3類は、 自然発火性物質および禁水性物質を扱うための資格です。 空気や水と反応することで発火・爆発の危険がある物質が対象となり、 取扱いミスが即事故につながりやすい類といえます。
すでに他の乙種に合格している場合は免除制度が適用され、 乙3でも 危険物の性質・火災予防・消火方法 のみが出題されます。
試験科目と問題数
免除制度を利用する場合、乙種第3類の試験構成は次のとおりです。
| 試験科目 | 通常の問題数 | 免除適用時 |
|---|---|---|
| 危険物に関する法令 | 15問 | 免除 |
| 基礎的な物理学及び基礎的な化学 | 10問 | 免除 |
| 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 | 10問 | 10問のみ実施 |
- 試験時間:120分(免除適用時:35分)
- 合格基準:性質・消火の科目で 60%以上(6問以上) の正解
乙3試験のメインテーマ:「自然発火性」と「禁水性」
第3類危険物は、性質によって大きく2つに分けられます。
- 自然発火性物質
- 空気中で自然に発火する
- 空気との接触を避けた保管が必要
- 禁水性物質
- 水と反応して発火・爆発する
- 注水厳禁が原則
どちらも、 「空気」「水」という身近なものが危険要因になる点が特徴です。
注意が必要な物質と消火方法
乙3では、物質ごとの反応性と消火方法の違いが頻出です。
- 自然発火性物質
- 代表例:黄リン
- 空気と接触すると自然発火
- 消火方法:水中に沈める、空気遮断
- 禁水性物質
- 代表例:ナトリウム、カリウム
- 水と激しく反応して発火
- 消火方法:乾燥砂、粉末消火
乙3では、 「水を使うか、使ってはいけないか」の判断が特に重要です。
乙種第3類の主な就職先・活躍分野
乙種第3類は、 反応性の高い物質を扱う現場で評価されやすい資格です。
- 化学メーカー・研究施設
- 金属加工・材料メーカー
- 危険物倉庫・特殊保管施設
- 製造業の安全管理・設備管理部門
特に、 保管・管理ルールが厳しい現場での需要が高くなります。
乙3の就職面での特徴
乙種第3類は、
- 求人数は多くない
- しかし事故リスクが高いため重要度が高い
という特徴があります。
乙4ほど汎用性はありませんが、 乙4+乙3 や 複数類取得の一部としての乙3 は、 危険物全体を理解している人材として評価されやすくなります。
効率的な学習のポイント
乙3の対策では、次の点を意識すると効率的です。
- 分類の理解
- 自然発火性か、禁水性か
- 消火方法の違い
- 水を使うか、使えないか
- 個別物質の特徴
- 保管方法、反応条件
この整理ができれば、 6問以上の正解を安定して狙える構成になります。
乙種第4類(引火性液体)の試験内容と仕事への活かし方
危険物取扱者乙種第4類は、 引火性液体を扱うための資格で、乙種の中でも最も需要が高い類です。 ガソリンや灯油など、日常生活や産業現場で広く使われている危険物が対象となります。
そのため、 就職・転職・配置要件のいずれにおいても評価されやすい資格といえます。
試験科目と問題数
免除制度を利用する場合、乙種第4類の試験構成は次のとおりです。
| 試験科目 | 通常の問題数 | 免除適用時 |
|---|---|---|
| 危険物に関する法令 | 15問 | 免除 |
| 基礎的な物理学及び基礎的な化学 | 10問 | 免除 |
| 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 | 10問 | 10問のみ実施 |
- 試験時間:120分(免除適用時:35分)
- 合格基準:性質・消火の科目で 60%以上(6問以上) の正解
乙4試験のメインテーマ:「引火性液体」
第4類危険物は、引火性液体に分類されます。 試験では、次のような性質が中心に問われます。
- 引火点
- 液体が引火する最低温度
- 数値問題として頻出
- 蒸気の危険性
- 蒸気は空気より重く、低所に滞留しやすい
- 可燃範囲
- 空気中の濃度によって爆発・燃焼の危険が変化
- 比重
- 多くは水より軽く、水に浮く
類別ごとの特徴と代表物質
乙4では、引火点によってさらに細かく分類されます。
- 第1石油類
- ガソリン、ベンゼン
- 引火点が低く、最も危険性が高い
- 第2石油類
- 灯油、軽油
- 常温では比較的安定
- 第3・第4石油類
- 重油、潤滑油
- 引火点が高く、危険性は低め
- アルコール類
- メタノール、エタノール
- 水溶性で消火方法に注意
消火方法の基本
乙4では、消火方法の選択が重要な出題ポイントです。
- 泡消火
- 蒸気の発生を抑える
- 最も基本的な方法
- 粉末消火
- 初期消火向き
- 水
- 冷却目的
- 水溶性・非水溶性の違いに注意
乙種第4類の主な就職先・活躍分野
乙種第4類は、非常に幅広い分野で活かされます。
- ガソリンスタンド
- 運送業・物流業
- 製造業(燃料・溶剤使用工場)
- ビル・施設の設備管理
- 危険物倉庫
多くの職場で 「乙4所持者の配置」が法令上求められるため、 求人票に直接記載されることも珍しくありません。
乙4の就職面での特徴
乙種第4類は、
- 求人数が非常に多い
- 実務直結度が高い
という点が最大の特徴です。
単独でも評価されやすく、 最初に取得する乙種として選ばれる理由でもあります。
効率的な学習のポイント
乙4の対策では、次の点を意識すると効率的です。
- 引火点の数値整理
- 類別ごとの危険性の違い
- 消火方法の使い分け
この整理ができれば、 安定して6問以上を確保できる構成になります。
乙種第5類(自己反応性物質)の試験内容と仕事への活かし方
危険物取扱者乙種第5類は、 自己反応性物質を扱うための資格です。 外部から酸素を供給されなくても、 加熱・衝撃・摩擦などによって自ら分解・爆発する性質を持つ物質が対象になります。
乙種の中でも、 化学的な理解がやや求められる専門性の高い類といえます。
試験科目と問題数
免除制度を利用する場合、乙種第5類の試験構成は次のとおりです。
| 試験科目 | 通常の問題数 | 免除適用時 |
|---|---|---|
| 危険物に関する法令 | 15問 | 免除 |
| 基礎的な物理学及び基礎的な化学 | 10問 | 免除 |
| 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 | 10問 | 10問のみ実施 |
- 試験時間:120分(免除適用時:35分)
- 合格基準:性質・消火の科目で 60%以上(6問以上) の正解
乙5試験のメインテーマ:「自己反応性」
第5類危険物は、 分子内に不安定な構造を持ち、自己反応を起こす物質です。
試験では、次のような性質が中心に問われます。
- 自己分解
- 加熱や衝撃で急激に分解する
- 爆発性
- 酸素がなくても爆発する
- 感度
- 摩擦・衝撃・火花に敏感
- 安定化条件
- 温度管理や希釈が必要
代表的な物質と注意点
乙5では、物質名と性質の組み合わせが頻出です。
- 有機過酸化物
- 代表例:過酸化ベンゾイル
- 加熱・衝撃により分解・爆発
- 冷暗所での保管が必要
- ニトロ化合物
- 代表例:ニトログリセリン
- 非常に感度が高い
- 衝撃・摩擦厳禁
これらは、 「なぜ危険なのか」を理解して覚えることが重要になります。
消火方法の考え方
乙5では、 「燃えているものを消す」というより、 反応を抑える・拡大を防ぐという考え方が重要です。
- 冷却
- 温度上昇を防ぐ
- 距離を取る
- 初期対応より避難優先
- 注水
- 物質によって可否が異なるため注意
乙種第5類の主な就職先・活躍分野
乙種第5類は、 化学的な専門性が求められる現場で活かされます。
- 化学メーカー
- 医薬品・樹脂・塗料メーカー
- 研究開発施設
- 危険物倉庫(特殊物質管理)
現場作業よりも、 管理・研究・品質管理寄りの業務で評価されやすい資格です。
乙5の就職面での特徴
乙種第5類は、
- 求人数は多くない
- しかし専門性が高い
という位置づけです。
乙4のような汎用性はありませんが、 乙4+乙5 や 複数類取得の一部としての乙5 は、 化学的理解のある人材として評価されやすくなります。
効率的な学習のポイント
乙5の対策では、次の点を意識すると効率的です。
- 自己反応の仕組みを理解する
- 代表物質と危険性をセットで覚える
- 消火より「事故防止」の視点を持つ
この整理ができれば、 6問以上の正解を安定して狙える構成になります。
乙種第6類(酸化性液体)の試験内容と仕事への活かし方
危険物取扱者乙種第6類は、 酸化性液体を扱うための資格です。 自ら燃えることはありませんが、 他の可燃物を激しく燃焼させる性質を持つ液体が対象となります。
乙1(酸化性固体)と性質は似ていますが、 液体である点が最大の違いで、 漏えい・飛散による事故リスクが高い類です。
試験科目と問題数
免除制度を利用する場合、乙種第6類の試験構成は次のとおりです。
| 試験科目 | 通常の問題数 | 免除適用時 |
|---|---|---|
| 危険物に関する法令 | 15問 | 免除 |
| 基礎的な物理学及び基礎的な化学 | 10問 | 免除 |
| 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 | 10問 | 10問のみ実施 |
- 試験時間:120分(免除適用時:35分)
- 合格基準:性質・消火の科目で 60%以上(6問以上) の正解
乙6試験のメインテーマ:「酸化性液体」
第6類危険物は、 強い酸化力を持つ液体に分類されます。
試験では、次のような性質が中心に問われます。
- 不燃性
- それ自体は燃えない
- 強酸化性
- 可燃物と接触すると激しく燃焼
- 比重
- 水より重いものが多い
- 腐食性
- 金属や皮膚を侵すものがある
代表的な物質と注意点
乙6で最も重要なのが、 硝酸類を中心とした代表物質です。
- 硝酸
- 強い酸化性と腐食性
- 可燃物との接触厳禁
- 換気・遮光が重要
- 発煙硝酸
- 揮発性が高く、蒸気も危険
- 密閉・冷暗所保管が必要
これらは、 液体であるため漏えい時の対応が特に重要になります。
消火方法の基本
乙6では、 「燃えている液体を消す」というより、 周囲の可燃物を守る視点が重要です。
- 多量の水
- 冷却・希釈目的
- 可燃物への延焼防止
- 可燃物の除去
- 二次災害防止が最優先
- 防護具の着用
- 腐食性への対策
乙種第6類の主な就職先・活躍分野
乙種第6類は、 化学薬品を液体で扱う現場で活かされます。
- 化学メーカー
- 工業薬品・試薬メーカー
- 半導体・電子部品製造
- 危険物倉庫(液体薬品管理)
- 製造業の安全管理部門
特に、 薬品管理・設備管理・安全管理の分野で評価されやすい資格です。
乙6の就職面での特徴
乙種第6類は、
- 求人数は多くない
- しかし専門性が高い
という位置づけです。
乙1と同様、 管理・安全寄りの資格であり、 乙4と組み合わせることで 危険物全体を理解している人材として評価されやすくなります。
効率的な学習のポイント
乙6の対策では、次の点を意識すると効率的です。
- 酸化性液体の共通性質を整理する
- 代表物質(硝酸類)を確実に押さえる
- 消火は「冷却・延焼防止」が基本
この整理ができれば、 6問以上の正解を安定して狙える構成になります。
