
忙しい社会人が基本情報技術者試験に挑戦するとき、最初にぶつかるのは「時間がない」「自分にできるのか」という不安です。出題範囲は広く見えますが、実際はパターン化されており、効率よく進めれば十分に合格を狙えます。大切なのは、完璧を目指すのではなく、限られた時間で“やるべきところだけ”を押さえること。ここから、忙しい人でも無理なく進められる方法を整理していきます。
基本情報技術者試験はITエンジニアの「登竜門」
ITエンジニアとしての基礎力を証明する国家試験
基本情報技術者試験は、ITエンジニアとして必要な基礎知識と考え方を身につけていることを証明する国家試験です。専門的な実務経験がなくても受験でき、IT分野にこれから関わっていきたい人にとって最初の目標として位置づけられています。
ITの基礎知識を網羅的に学べる価値
この試験では、コンピュータやネットワークといった技術分野だけでなく、システム開発の進め方や、ITを業務にどう活かすかといった考え方も問われます。特定の技術に偏らず、IT全体を体系的に学べる点が大きな特徴です。
履歴書で評価されやすい理由
基本情報技術者試験は国家資格であり、履歴書に記載できる点も大きなメリットです。IT未経験や異業種からの転職を考えている場合でも、「ITの基礎を一通り学んだ」という客観的な評価につながります。
新制度で社会人でも受けやすくなった
2023年(令和5年)の制度改定により、試験はCBT方式となり通年受験が可能になりました。決まった試験日に縛られず、自分のスケジュールに合わせて受験できるため、忙しい社会人でも挑戦しやすい試験へと変わっています。
基本情報技術者試験の概要(新制度版)
試験は2つの科目で構成されている
基本情報技術者試験は、「科目A」と「科目B」の2つで構成されています。どちらも一定の得点を超える必要があり、片方だけ高得点でも合格にはなりません。まずは全体の構成を把握することが、効率的な学習への第一歩です。
科目A試験の内容と特徴
科目A試験は、IT全般の基礎知識を問う試験です。テクノロジ、マネジメント、ストラテジといった分野から幅広く出題され、四肢択一形式で解答します。暗記だけでなく、用語の意味や考え方を理解しているかが問われるのが特徴です。
科目B試験の内容と特徴
科目B試験では、アルゴリズムとプログラミングを中心に、論理的に考える力が問われます。出題の多くは擬似言語を使った問題で、実際のプログラミング経験がなくても対応できる構成です。ただし、慣れていないと時間が足りなくなりやすいため、早めの対策が重要になります。
合格基準と知っておきたいポイント
科目A・科目Bともに、1,000点満点中600点以上が合格基準です。満点を取る必要はなく、全体で安定して点数を積み上げることが求められます。試験の仕組みを理解しておくことで、無駄な不安を減らし、学習に集中しやすくなります。
忙しい社会人が最初に立てるべき学習戦略
基本情報技術者試験に挑戦するうえで、忙しい社会人が最初にやるべきことは「とにかく勉強を始めること」ではありません。 まず必要なのは、この試験をどう戦うかを理解し、無理のない学習戦略を立てることです。 ここを曖昧にしたまま進めてしまうと、途中で時間が足りなくなったり、思うように進まず挫折してしまいやすくなります。
合格ラインは「6割」でいい
基本情報技術者試験は、満点を取る試験ではありません。 科目A・科目Bともに、1,000点満点中600点以上を取れれば合格です。
出題範囲が広いため、「すべて理解しなければならない」と感じがちですが、それは社会人にとって現実的ではありません。 大切なのは、確実に点になる分野を押さえ、点になりにくい部分は深追いしないことです。
忙しい社会人が失敗しやすいのは、「完璧を目指してしまうこと」です。 合格に必要なのは、6割を安定して取れる状態を作ることだと、最初に意識しておきましょう。
科目Aと科目Bは「別の試験」と考える
基本情報技術者試験は、科目Aと科目Bで性質が大きく異なります。 この2つを同じ感覚で勉強しようとすると、効率が一気に下がってしまいます。
科目Aは、IT全般の基礎知識を広く問われる試験です。 一つひとつを深く理解するよりも、全体を浅く押さえ、繰り返し問題に触れることで点数が伸びやすい特徴があります。
一方、科目Bはアルゴリズムとプログラミングが中心で、論理的に考える力が求められます。 こちらは知識量よりも「慣れ」が重要で、問題の型を理解し、落ち着いて処理できるようになることが得点につながります。
このように、
- 科目Aは「広く・浅く・反復」
- 科目Bは「狭く・深く・慣れ」
というように、別々の戦略で進めることが合格への近道です。
忙しい人ほど「出題パターン」を意識する
基本情報技術者試験は、毎回まったく新しい問題が出る試験ではありません。 特に科目Aは、出題されるテーマや問われ方がある程度パターン化されています。
過去問を解く目的は、答えを暗記することではなく、 「この分野は、こういう聞かれ方をする」という型を知ることです。
科目Bについても同様で、アルゴリズムの問題は毎回ゼロから考えるものではありません。 探索、ソート、繰り返し処理など、よく出る考え方が決まっています。
出題パターンを意識して学習することで、 「範囲が広くて終わらない」という不安は、現実的な手応えに変わっていきます。
勉強時間は「確保」ではなく「固定」する
社会人の学習でよくある失敗が、「時間ができたら勉強しよう」と考えてしまうことです。 実際には、仕事や家庭の予定で、まとまった時間が取れない日がほとんどです。
合格している人の多くは、 勉強時間を確保するのではなく、あらかじめ固定しています。
たとえば、
- 朝の30分
- 昼休みの10分
- 夜の30分
このように時間帯を決めてしまうことで、勉強は生活の一部になります。 忙しい日でも「今日は少しでもやった」という状態を作ることが、結果的に大きな差につながります。 朝・昼・夜のすべてができなくても構いません。どれか一つでも取り組めた日を積み重ねていくこと自体が、確実に合格へ近づく実績になります。

私自身も、忙しい時期ほど「朝の1時間だけは必ず勉強する」と決めていました。
毎日完璧にできなくても、「今日もやれた」という感覚が、継続の支えになります。
第3章のまとめ
忙しい社会人が基本情報技術者試験に合格するために必要なのは、努力量ではありません。 限られた時間で、どこに力を使うかを決める戦略です。
- 合格ラインは6割でいい
- 科目Aと科目Bは別の試験として考える
- 出題パターンを利用する
- 勉強時間は短くても固定する
次の章では、まず取り組みやすく、点数を積み上げやすい科目A対策について、具体的な優先順位と勉強法を整理していきます。
科目Aは意外とシンプル|出題内容と対策の全体像
基本情報技術者試験の科目Aは、出題範囲が広いため「難しそう」「覚えることが多そう」と感じやすい科目です。 しかし実際には、出題分野と傾向がはっきりしており、対策の方向性もシンプルです。 ポイントを押さえて進めれば、忙しい社会人でも十分に得点源にできます。
科目Aは3つの分野から出題される
科目Aは全60問で構成されており、出題内容は次の3分野に分かれています。
| 分野 | 主な内容 | 出題数(目安) |
|---|---|---|
| テクノロジ系 | 基礎理論、ハード・ソフト、ネットワーク、データベース、セキュリティ | 約41問 |
| マネジメント系 | プロジェクト管理、サービスマネジメント、監査 | 約7問 |
| ストラテジ系 | 経営戦略、法務(著作権など)、システム戦略 | 約12問 |
全体の約7割がテクノロジ系で占められているのが大きな特徴です。 合格ラインは60%(1,000点満点中600点)なので、テクノロジ系を重点的に対策するだけでも合格圏内が見えてきます。
テクノロジ系で出題される主な内容(最重要)
テクノロジ系では、ITの土台となる知識が問われます。 専門的に見える内容もありますが、深い理解よりも「役割や仕組みを知っているか」が重視されます。
- 基礎理論 2進数、論理演算、集合、確率、データ構造
- コンピュータ構成要素 CPUの仕組み、メモリの種類、HDD・SSD
- システム構成要素 クライアントサーバシステム、稼働率、RAID
- ネットワーク OSI参照モデル、TCP/IP、HTTP、IPアドレス計算
- データベース SQL、正規化、トランザクション管理
- セキュリティ(頻出) 暗号化(公開鍵・共通鍵)、認証、ウイルス、サイバー攻撃手法
特にセキュリティ分野は毎回安定して出題されるため、優先的に押さえておきたい分野です。
マネジメント系で出題される主な内容
マネジメント系では、ITを使った業務やプロジェクトの進め方がテーマになります。
- プロジェクトマネジメント スケジュール管理(アローダイアグラム)、コスト管理
- サービスマネジメント ITIL、SLA(サービスレベル合意)
用語の意味と考え方を理解していれば対応できる問題が多く、暗記中心で対策しやすい分野です。
ストラテジ系で出題される主な内容
ストラテジ系では、ITを経営や業務にどう活かすかという視点が問われます。
- 企業活動 財務諸表(損益計算書など)、在庫管理
- 法務(頻出) 著作権法、不正アクセス禁止法、労働者派遣法
- 経営戦略 SWOT分析、PPM、マーケティング手法
IT以外の内容も含まれるため苦手意識を持ちやすいですが、出題数は比較的少なく、深追いは不要です。
科目Aを攻略するための3つの対策ポイント
過去問を中心に対策する
科目Aは、過去の試験(旧・午前試験)で出題された問題が、そのまま、または少し形を変えて再利用されるケースが非常に多いです。 「基本情報技術者試験 過去問道場」などを活用し、直近5〜10年分を繰り返し解くことが最短ルートになります。
用語は暗記せず、役割で理解する
用語を丸暗記しようとすると、途中で挫折しやすくなります。 大切なのは、「その用語が何をするものなのか」をイメージできることです。
例: DNS → インターネット上の住所(IPアドレス)と名前(ドメイン)を結びつける電話帳
このように役割を理解しておくと、問題文を読んだときに判断しやすくなります。
計算問題はパターンで覚える
2進数変換や稼働率計算などの計算問題は、解き方がほぼ決まっています。 一度理解してしまえば、確実な得点源になります。
苦手意識を持たず、代表的なパターンをいくつか練習しておくことが大切です。
第4章のまとめ
科目Aは、覚える量が多い試験ではありません。 出題される分野と割合が決まっているため、重点的に対策すれば効率よく点を取れる科目です。
特に、出題数の多いテクノロジ系を中心に学習し、 マネジメント系・ストラテジ系は「用語の意味を押さえる」程度にとどめることで、無理なく合格ラインに近づけます。
過去問を繰り返し解きながら、
- よく出る分野
- 毎回似た形で出る問題
を押さえていくことが、忙しい社会人にとって最も現実的な対策です。
次の章では、多くの受験者がつまずきやすい科目B(アルゴリズム・プログラミング)について、考え方と具体的な進め方を整理していきます。
科目Bは「内容」と「解き方」を知れば怖くない
基本情報技術者試験の中で、最も不安を感じやすいのが科目Bです。 「アルゴリズムが難しそう」「時間が足りなさそう」と感じる人も多いですが、 実際には試験内容と正しい解き方を知っているかどうかで、難易度の感じ方は大きく変わります。
まずは、科目Bがどんな試験なのかを整理しておきましょう。
科目Bの試験内容と出題構成
科目Bは、全20問の多肢選択形式で出題されます。 出題内容は大きく次の2つに分かれています。
- アルゴリズム・プログラミング分野(約8割)
- 情報セキュリティ分野(約2割)
記述式ではなく選択式のため、 処理の流れを正しく読み取れれば、確実に正解できる試験です。
アルゴリズム分野で問われること
アルゴリズム分野では、擬似言語と呼ばれる試験専用の表記で、処理の流れが示されます。
- 変数への代入
- 条件分岐(if 文)
- 繰り返し処理(ループ)
- 配列やリストの扱い
プログラムを書く力は求められていません。 処理がどの順番で実行され、最終的にどうなるかを判断する力が問われています。
情報セキュリティ分野は確実に取りたい
科目Bの約2割は、情報セキュリティ分野です。
- 認証やアクセス制御
- 暗号化の基本
- セキュリティ事故への対応
アルゴリズムほど複雑ではなく、 短時間で解ける問題が多い得点源です。 ここは捨てずに、確実に取りにいきたい分野です。
科目Bは「トレースできるかどうか」で解きやすさが変わる
科目Bで点が取れるかどうかは、 アルゴリズムの知識量よりも、トレースを正しく使えているかどうかで大きく変わります。
多くの受験生が科目Bを難しく感じる原因は、 問題が難しいからではありません。 トレースを使わず、頭の中だけで処理を追おうとしてしまうことが原因です。
トレースは「理解するための作業」
トレースとは、 プログラムの処理を一行ずつ追いながら、変数の値の変化を紙に書き出して確認する作業です。
これは、 「分かったことを確認するため」ではなく、 分かるようになるために行う作業です。
処理の流れを紙の上に出すことで、
- 今どの処理を見ているのか
- どの条件が成立したのか
- 変数の値がどう変わったのか
が整理され、混乱しにくくなります。
トレースでやることはとてもシンプル
トレースで書く内容は、次の2つだけです。
- 変数名
- その時点での値
処理が進んで値が変わったら、 新しい値を書き足していくだけで十分です。
条件分岐や繰り返し処理が出てきても、 すべての可能性を考える必要はありません。 実際に通った処理だけを追うことがポイントです。
科目Bは「慣れ」で必ず対応できる
科目Bは、直前に一気に詰め込む試験ではありません。 早めに触れて、少しずつ慣れていくことが何より重要です。
- 最初は問題を読むだけ
- 次に紙に書きながら処理を追う
- 最後に時間を意識して解く
この順番で進めることで、 「意味が分からない試験」から「落ち着いて解ける試験」に変わっていきます。
第5章のまとめ
科目Bは、内容を正しく知り、解き方を間違えなければ、 決して難易度が高すぎる試験ではありません。
- 出題の中心はアルゴリズム
- プログラムを書く力は不要
- トレースを使うことで処理が見える
- 慣れがそのまま得点につながる
次の章では、これらを踏まえたうえで、 忙しい社会人でも実行できる現実的な学習スケジュールを具体的に整理していきます。
基本情報技術者試験は「過去問中心」で進める
基本情報技術者試験の勉強を始めると、 「何から手を付ければいいのか分からない」と感じる人は少なくありません。
ですが、学習の軸はとてもシンプルです。 過去問を繰り返し解き、分からない箇所だけ参考書で確認する。 この進め方を守るだけで、無駄の少ない学習ができます。
過去問を繰り返すことで出題傾向が自然と分かってくる
基本情報技術者試験は、毎回まったく新しい問題が出る試験ではありません。 過去問を解いていくうちに、
- よく出る分野
- 何度も見かける用語
- 似た形で繰り返し出題される問題
が、少しずつ見えてくるようになります。
最初は気づかなくても、 同じ過去問を何度か解くうちに「またこのパターンだ」と感じる瞬間が必ず出てきます。 これが、出題傾向をつかめている状態です。
参考書は「最初から読むもの」ではない
出題傾向が見えてくると、 「全部覚えなくてもいい」ということにも気づけます。
参考書は、最初から最後まで読み込むものではありません。 過去問を解いていて分からなかった部分を確認するための道具です。
- 過去問を解く
- 分からない用語や考え方が出てくる
- その部分だけ参考書で確認する
この流れを繰り返すことで、 出題されやすい内容から優先的に身についていきます。
過去問書には書き込まず、ノートを使って解く
過去問を使った学習では、 過去問書そのものには計算過程や考え方を書き込まないことをおすすめします。
過去問書に書き込みをしてしまうと、 繰り返し解くときに、以前に書いた内容を見ただけで答えが分かってしまうからです。 これでは、本当に理解できているのかを確認できません。
計算過程や処理の流れは、 ノートに書き出して解くようにします。
- 問題文は過去問書で確認する
- 計算過程や考え方はノートに書く
こうすることで、同じ過去問を何度でも新鮮な状態で解くことができます。
「何回も解ける状態」を作ることが大切
基本情報技術者試験では、 過去問を一度解いて終わりにするより、何度も解くことが重要です。
過去問書に書き込まず、ノートを使って解いていけば、
- 1回目は時間がかかる
- 2回目は少し早くなる
- 3回目には考え方が自然に出てくる
という変化を実感できるようになります。
ノートは「きれいにまとめる」必要はない
ここで使うノートは、見返すためのまとめノートではありません。
- 計算過程を書く
- 処理の流れを書く
- 自分がどこで迷ったかを残す
これだけで十分です。
大切なのは、 過去問書を何度も使える状態に保つことと、 毎回、自分の頭で考える機会を作ることです。
第6章のまとめ
基本情報技術者試験の勉強は、 過去問を繰り返すことで出題傾向が自然と見えてくる試験です。
- 過去問を中心に進める
- 分からない箇所だけ参考書で確認する
- 過去問書には書き込まず、ノートを使う
- 同じ過去問を何度も解ける状態を作る
この進め方を続けることで、 忙しい社会人でも、無理なく合格に近づくことができます。
次の章では、 この過去問中心の考え方を、科目A対策にどう落とし込むかを具体的に説明していきます。

私自身、参考書中心の勉強では何度も不合格になりました。 過去問を繰り返す勉強に切り替えたことで、自分の平均点が見えるようになり、少しずつ自信がついていき、最終的に合格することができました。
勉強量ではなく、やり方を変えたことが結果につながったと感じています。
科目Aは「全部覚えようとしない」ことが重要
科目Aに対して、 「覚えることが多すぎる」「範囲が広すぎる」 と感じている人は少なくありません。
ですが、科目Aは知識量を競う試験ではありません。 限られた時間の中で、点につながる知識を選べるかどうかが問われています。
科目Aは「優先順位」を決める科目
科目Aの出題範囲は非常に広く、 すべてを完璧に覚えようとすると、途中で手が止まってしまいます。
ここで大切なのは、 どこに力を入れ、どこを割り切るかを決めることです。
問題に触れていく中で、
- よく見かける分野
- 何度も似た形で出てくる内容
- 逆に、あまり見かけないテーマ
が少しずつ分かってきます。 この感覚をもとに、学習の優先順位を調整していきます。
テクノロジ系を中心に押さえる
科目Aでは、 テクノロジ系の分野が得点の中心になります。
- ハードウェア
- ソフトウェア
- ネットワーク
- データベース
- セキュリティ
これらは、理解しておくと安定して点につながりやすい分野です。 まずはここを中心に取り組むことで、効率よく得点力を高められます。
マネジメント・ストラテジ系は深追いしない
マネジメント系やストラテジ系は、 用語の暗記が中心になりやすい分野です。
ここで重要なのは、 完璧を目指さないことです。
- 見たことがある
- 何となく意味が分かる
- 選択肢を絞れる
この状態を目標にすれば十分です。 細かい部分まで覚えようとすると、時間を取られすぎてしまいます。
分からないところだけを確認する
学習を進める中で、 「意味が分からない」「用語があいまい」 と感じる部分が出てきます。
そのときに、参考書を使って確認します。 最初から読み込む必要はありません。
- 分からない部分を確認する
- 理解できたら先に進む
この繰り返しで、必要な知識だけが自然と残っていきます。
解くときはノートを使う
問題を解くときは、 問題集には書き込まず、ノートに考え方を書くようにします。
- 選択肢をどう絞ったか
- どこで迷ったか
- 勘違いしていたポイント
これをノートに残すことで、 同じ問題に何度触れても、自分の力で考え直すことができます。
第7章のまとめ
科目Aは、 全部覚えようとすると苦しくなる科目です。
- 優先順位を決める
- テクノロジ系を中心にする
- 暗記分野は割り切る
- 分からないところだけ確認する
- ノートを使って考え方を整理する
この考え方で進めれば、 科目Aは「不安な科目」から「安定して点が取れる科目」に変わっていきます。
次の章では、 科目Bを本番でどう解くか、時間配分と実戦的な考え方を整理していきます。
科目Bは「時間を失わない」ことが最優先
科目Bで結果を分けるのは、 知識量やひらめきではありません。 試験中に時間を失わず、最後まで落ち着いて解けるかどうかです。
多くの受験生が科目Bで崩れてしまう原因は、 難しい問題そのものではなく、 一問に時間をかけすぎてしまうことにあります。
科目Bで一番避けたいのは「立ち止まること」
科目Bでは、処理が複雑な問題や、 最初は流れが見えにくい問題が必ず出てきます。
ここで重要なのは、 その場で無理に理解しようとしないことです。
- 処理の流れがすぐに見えない
- トレースに時間がかかりそう
- 読み直しても整理できない
こう感じたら、いったん後回しにします。 立ち止まらずに次へ進むことが、結果的に得点につながります。
見覚えのある問題は、確実に点を取りにいく
時間配分を考えるうえで、一つの基準になるのが 「これまで何度も解いてきた問題に近いかどうか」です。
何度も解いた問題と似た構造のものが出てきた場合は、 迷わず確実に点数を取りにいく意識を持ちます。
- 処理の流れがすぐに思い浮かぶ
- トレースの手順が頭に入っている
- どこで注意すればいいか分かっている
こうした問題は、 時間をかけすぎずに正解できる可能性が高い問題です。
「取れる問題」で時間と点数を確保する
科目Bでは、すべての問題に同じ時間を使う必要はありません。
- 見覚えのある問題は、落ち着いて確実に解く
- 初見で重そうな問題は、後回しにする
このメリハリをつけることで、 時間を回収しながら試験を進めることができます。
取れる問題で点数と余裕を確保できれば、 後半に難しい問題が残っていても、冷静に向き合えます。
トレースは「全部書かなくていい」
科目Bではトレースが重要ですが、 すべてを丁寧に書く必要はありません。
- 変数の値が変わるところ
- 条件分岐の判断が必要なところ
こうした部分だけを中心に、 必要な情報だけを書き出します。
目的は、 処理の流れを見失わないことです。 きれいに書くことではありません。
情報セキュリティ問題は確実に取りにいく
科目Bには、アルゴリズム以外に 情報セキュリティ分野の問題も含まれています。
これらは、
- 問題文が比較的短い
- 処理を追う必要がない
といった特徴があり、 短時間で解ける得点源です。
アルゴリズム問題で消耗しているときほど、 落ち着いて確実に取りにいきたいところです。
分からない問題に出会ったときの考え方
本番では、どうしても分からない問題に出会います。 そのときに大切なのは、
- 焦らない
- 無理に理解しようとしない
- 時間を使いすぎない
という姿勢です。
一度飛ばして、 最後に時間が余ったら戻る。 この判断ができるだけで、科目Bは大きく安定します。
試験直前から当日までの立ち回りと心構え
ここまで学習を進めてきた人ほど、 試験が近づくにつれて不安を感じやすくなります。
「まだ足りないのではないか」 「何か見落としているのではないか」
ですが、試験直前から当日にかけて大切なのは、 新しいことを増やすことではなく、これまで積み重ねてきたことを安定して出せる状態を作ることです。
直前期に意識したいのは「やることを減らす」こと
試験直前になると、 新しい問題集や参考書に手を出したくなります。
しかし直前期にやるべきことは、 やることを増やすのではなく、減らすことです。
- 新しい教材には手を出さない
- 見直す範囲を絞る
- これまでやってきた内容を信じる
直前期は理解を深める時期ではありません。 落ち着いて解ける状態を作る時期です。
科目A・科目Bの最終確認ポイント
直前期の確認は、次の点に絞ります。
科目A
- よく出る分野の用語を軽く見直す
- 勘違いしやすいポイントを確認する
科目B
- 処理の流れを追う感覚を思い出す
- 解く順番や後回し判断を再確認する
細かい知識を詰め込む必要はありません。 「解き方を忘れていないか」を確認するだけで十分です。
試験前日の過ごし方
試験前日は、無理に勉強時間を増やす必要はありません。 新しいことを詰め込もうとすると、かえって不安が大きくなってしまいます。
前日に意識したいのは、次の3点です。
- 軽く見直したら、早めに切り上げる
- 当日の流れを頭の中で確認する
- しっかり睡眠を取る
この日は「理解を深める日」ではなく、 本番で力を出せる状態を整える日です。
試験当日の基本姿勢
試験当日は、 「いつも通り」を意識することが大切です。
- 早めに会場に着く
- 焦らず準備する
- 周りを気にしすぎない
特別なことをしようとせず、 普段の練習通りに解くことを意識します。
分からない問題に出会ったときの考え方
本番では、どうしても分からない問題に出会います。 そのときに大切なのは、その場で立ち止まらないことです。
処理の流れがすぐに見えない 考え始めても整理できない 時間がかかりそうだと感じる
こうした場合は、いったん飛ばします。
まずは、分かる問題・見覚えのある問題を確実に解き、 時間と点数の余裕を作ることを優先します。
そのうえで、 最後に時間が残っていれば、飛ばした問題に戻る。 この順番で進めるだけで、試験全体が安定します。
焦りを感じたときの立て直し方
試験中、途中で焦りを感じることは誰にでもあります。 そんなときは、一度深呼吸をして、次の一問に意識を切り替えます。
- 今解いている一問だけを見る
- 残り時間を冷静に確認する
- 取れる問題に意識を戻す
焦りそのものは悪いことではありません。 焦ったときに立て直せるかどうかが大切です。
第9章のまとめ
試験直前から当日までで大切なのは、 新しいことをしないことと、落ち着いて行動することです。
- 直前期はやることを絞る
- 当日は普段通りを意識する
- 分からない問題で立ち止まらない
- 焦っても立て直せば問題ない
ここまで積み重ねてきたことは、 本番で必ずあなたの力になります。
基本情報技術者試験は「正しい積み重ね」で届く
ここまで読み進めてきたあなたは、 すでに「何をすればいいか分からない状態」からは抜け出しています。
勉強のやり方を整理し、 科目Aと科目Bそれぞれの向き合い方を理解し、 試験直前から当日までの立ち回りも確認してきました。
あとは、 これまで積み重ねてきたことを信じて、本番に向かうだけです。
特別な才能やセンスは必要ない
基本情報技術者試験は、 一部の人だけが受かる試験ではありません。
- 毎日長時間勉強できなくても
- ITの実務経験がなくても
- 最初はまったく分からなくても
正しい方向で積み重ねていけば、 十分に届く試験です。
ここまで読み進めてきたということは、 すでにその「正しい方向」に立っています。
不安になるのは、真剣に向き合ってきた証拠
試験が近づくと、 不安になるのは自然なことです。
それは、 「何もしてこなかったから」ではなく、 ちゃんと向き合ってきたからこそ生まれる不安です。
不安があるからといって、 準備が足りていないわけではありません。
試験はゴールではなく、次につながる通過点
基本情報技術者試験は、 あなたの価値を決めるものではありません。
合格しても、 すべてが一気に変わるわけではありませんし、 不合格だったとしても、 これまで積み上げてきたものが無駄になることはありません。
この試験で身につくのは、 IT分野全体の基礎となる考え方です。
- 用語の捉え方
- 処理の流れを追う力
- 問題文から必要な情報を読み取る力
これらは、応用情報技術者試験や、 その先の上位試験でもそのまま活かせます。
基本情報技術者試験は、 これから先に進むための一つの通過点です。
実務面でのメリットもある
会社によっては、 基本情報技術者試験に合格することで、
- 資格手当が支給される
- 評価や昇進の参考にされる
- IT系業務への配属や異動で有利になる
といった、実務的なメリットがある場合もあります。
すぐに大きな変化がなくても、 「基礎を身につけた証明」として評価されることは、 長い目で見れば確実にプラスになります。
最後に伝えたいこと
ここまで積み重ねてきた時間と努力は、 本番で必ずあなたを支えてくれます。
- 焦らず
- 立ち止まらず
- 取れるところを確実に取る
それだけで十分です。
試験当日は、 「やれることはやってきた」と思って、 落ち着いて問題に向き合ってください。
あなたがここまで進んできたこと自体が、 すでに大きな一歩です。

基本情報技術者試験は、正しい方向で積み重ねれば誰にでも届く試験です。
ここまで進んできた経験は、試験だけでなく、その先の学習や実務にも必ずつながっていきます。
