
1997年に公開されたシリーズ第4作『エイリアン4』は、 前作までの重く閉ざされた世界観から一転し、 “再生”と“変異”をテーマにした異色のSFホラー です。 監督は『アメリ』で知られるジャン=ピエール・ジュネ。 独特の映像美と奇妙なユーモアが、シリーズに新たな空気を吹き込みます。
物語の舞台は前作から約200年後。 科学者たちによってリプリーが再び姿を現し、 彼女自身も“かつてのリプリーとは違う存在”として描かれます。 エイリアンもまた進化し、恐怖は新たな形へと変貌していきます。
『エイリアン』シリーズ
全体目次(第1回〜最終回)
- 『エイリアン』総括編──未知の恐怖に触れる“シリーズの魅力”
- 『エイリアン1』(1979)──SFホラーの原点となった“最初の恐怖”
- 『エイリアン2』(1986)──恐怖が再び目を覚ます
- 『エイリアン3』(1992)──絶望の中で“孤独な恐怖”が目を覚ます
- 『エイリアン4』(1997)──再生がもたらす“新たな恐怖”
- 『プロメテウス』(2012)──“起源”へと遡る神話が始まる
- 『エイリアン:コヴェナント』(2017)──“創造”が生む新たな恐怖
第4作『エイリアン4』(1997)──“再生”が揺るがす人間の境界
科学者たちの手によって復活したリプリーは、 記憶の断片を持ちながらも、以前とは異なる能力や感覚を備えた存在として描かれます。 彼女が収容されている研究施設では、軍がエイリアンを利用しようと実験を進めており、 その危険な研究がやがて制御不能な事態を引き起こしていきます。
リプリーは傭兵たちとともに施設からの脱出を試みますが、 “再生された自分”と“進化したエイリアン”という二重の恐怖が物語を覆っていきます。
あらすじ:再生されたリプリーと“変異する恐怖”
物語は、科学者たちがリプリーをクローンとして復活させたところから始まります。 彼女の中には、かつての恐怖の痕跡が微かに残り、 その存在は人間とも怪物とも言えない曖昧な境界に立っています。
一方、軍の研究施設ではエイリアンが飼育され、 “兵器としての利用”を目的とした実験が進められていました。 しかし、エイリアンの知性と凶暴性は研究者たちの想定を超え、 施設は瞬く間に混乱へと陥ります。
リプリーは傭兵たちと協力しながら脱出を図る中で、 “新たな生命の形”と向き合うことになり、 物語はシリーズでも特に異質な結末へと向かっていきます。
『エイリアン4』が“今も語られる理由”
● “再生されたリプリー”という衝撃の設定
彼女はもはや以前のリプリーではなく、 人間とエイリアンの境界に立つ存在として描かれる。
● エイリアンの“進化”と“変異”
本作ではエイリアンの描写がさらに踏み込まれ、 恐怖の質が大きく変化している。
● ジュネ監督の独特の映像美
湿った質感、奇妙なユーモア、フランス映画的な色彩感覚が、 シリーズに新たな雰囲気をもたらした。
● “人間とは何か”を問う物語
リプリーの存在そのものが、観客に深い問いを投げかける。
制作の裏話:シリーズに吹き込まれた“異質な空気”
● シガニー・ウィーバーは当初出演を断っていた
しかし“再生されたリプリー”という設定に興味を持ち、出演を決意したと言われている。
● ジャン=ピエール・ジュネの独特の演出
『アメリ』の監督として知られるジュネの映像感覚が、 シリーズに異質で魅力的な世界観をもたらした。
● エイリアンの新たな造形
本作では、エイリアンの存在感をより“生物的”に見せるための新しいアプローチが採用され、 シリーズの中でも独特の恐怖が生まれている。
● シリーズの中でも賛否が大きく分かれた作品
その独特の世界観が、今もファンの間で議論を呼び続けている。
次回予告:『プロメテウス』──“起源”へと遡る新たな神話
次回は、シリーズの原点へと遡る物語 『プロメテウス』(2012) を取り上げます。 “エイリアンの起源”に迫る壮大なSF神話が幕を開けます。

『エイリアン4』は、シリーズの中でも特に“異質な魅力”を放つ作品でした。 再生されたリプリーの存在が不気味でありながらどこか切なく、 彼女が見せる“人間とも怪物とも言えない表情”に強く引き込まれました。 エイリアンの進化も驚きの連続で、物語全体がどこか不穏で、 観終わった後もしばらく余韻が残る独特の作品です。
